1分で読めるあらすじ
3年前に崩壊したジュラシック・ワールドの舞台・イスラ・ヌブラル島では、火山の大噴火が迫っていた。
恐竜たちを救うべきか、それとも自然の摂理に任せるべきか、世界は揺れていた。恐竜保護活動を行うクレア・ディアリングは、元恐竜調教師のオーウェン・グレイディと共に、島に取り残された恐竜たちを救出するため再び向かう。
しかし、彼らの目的は単なる保護ではなく、恐竜を軍事利用しようとする裏の計画に巻き込まれていく。島から連れ出された恐竜たちは、ロックウッド邸へと運ばれ、闇のオークションにかけられる。
そこで、新たな脅威「インドラプトル」が誕生し、恐竜たちの運命は再び混乱へと向かう。そして物語は、恐竜と人類が共存する新たな時代の幕開けへと進んでいく──。
見どころ
『ジュラシック・ワールド/炎の王国』は、前作を超えるスリルとドラマが詰まった作品です。
本作の最大の見どころは、「絶滅の危機に瀕した恐竜たちを救うか、それとも自然の摂理に任せるべきか?」 というテーマにあります。
シリーズを通して描かれる「人類と恐竜の関係」に、新たな選択を突きつける物語が展開されます。
また、火山の噴火から逃れる恐竜たちの圧倒的なスペクタクルシーンは必見!シリーズ初の「島からの脱出劇」となる展開は、過去作とは異なるスリルを生み出し、観客を息もつかせぬ展開へと引き込みます。
さらに、前作以上に恐竜との距離感が近く、インドラプトルによるホラー要素を含んだ追跡シーンは、シリーズ屈指の緊張感を演出しています。
そして、本作では「クローン技術」という新たな要素が物語に深く絡み、シリーズの未来に大きな影響を与える展開が待ち受けています。
ラストに向かうにつれ、恐竜たちと人類の関係は大きく変わり、「ついに恐竜が世界へと解き放たれる」衝撃のラストシーンが描かれます。
アクション、サスペンス、ホラー、そして人類の倫理観にまで踏み込んだ本作は、ただのモンスターパニック映画ではなく、シリーズの分岐点となる重要な作品です。
過去作を知らなくても楽しめる一方で、シリーズファンにとっては考察の余地が広がる、見どころ満載の一本となっています!
映画のざっくり全編ネタバレ ※見たいところまで見てください⬇︎
ネタバレ①_火山噴火の危機!恐竜救出作戦が始動
イスラ・ヌブラル島では巨大な火山の噴火が迫り、恐竜たちが絶滅の危機に瀕していた。世界では恐竜を保護すべきか、自然の摂理に任せるべきかが議論されていたが、政府は救出を断念。
そんな中、恐竜保護団体のリーダーとなったクレア・ディアリングは、財界の大物ベンジャミン・ロックウッドから救出計画の支援を申し出される。
彼の屋敷の管理人であるイーライ・ミルズは、恐竜たちを新たな保護区へ移動させる計画を説明。
恐竜たちを助けたいクレアは、オーウェン・グレイディに助力を求める。
最初はクレアの助けを拒むオーウェンだったが自信が世話をしてきたブルーが救出対象になっていることを知り、同行を決意する。
彼らは島へ向かい、火山の噴火が迫る中、恐竜の保護活動を開始。
しかし、これは恐竜の売買を企む裏の計画の一部だった。ミルズの部下である傭兵ウィートリーが、ブルーを捕獲するもオーウェンを裏切り、現場は大混乱に。
噴火の影響で島は崩壊寸前となり、恐竜たちは逃げ惑う。オーウェンとクレアも命からがら島を脱出するが、彼らを待っていたのは想像もしなかった恐ろしい陰謀だった…。
ネタバレ②_恐竜は保護か利用か?オークションの裏の陰謀
イスラ・ヌブラル島から連れ出された恐竜たちは、ロックウッド邸の地下施設へと運ばれる。
しかし、それは表向きの「保護」とは異なり、イーライ・ミルズが裏で進めていた違法な恐竜オークションのためだった。彼はロックウッドの財産を利用し、恐竜を富裕層や軍事組織に売りさばこうとしていたのだ。
一方、ロックウッド自身はこの計画を知らず、あくまで恐竜を新たな保護区へ移すことを信じていた。
しかし、真実を知った彼がミルズを問い詰めると、ミルズはロックウッドを密かに殺害し、全ての計画を自分の手で進めることを決断する。
やがてロックウッド邸には各国の武器商人や富裕層が集まり、希少な恐竜たちが次々と競りにかけられる。
その中でも、彼らの注目を集めたのは、ヴェロキラプトルのDNAを組み込んだ新たなハイブリッド恐竜「インドラプトル」だった。
その頃、オーウェンとクレアは監禁されていたが、何とか脱出を試みる。
オークションの場では恐竜たちが次々と売却され、状況は絶望的に。しかし、この後、想像を超える恐怖が解き放たれようとしていた…。
ネタバレ③_最強のハイブリッド恐竜インドラプトル誕生!
ロックウッド邸の地下ラボでは、新たなハイブリッド恐竜「インドラプトル」が誕生していた。
これは、インドミナス・レックスのDNAにヴェロキラプトルの遺伝子を組み込んだ、極めて知能が高く凶暴な殺戮マシン。
イーライ・ミルズはこのインドラプトルを兵器として売りさばく計画を進めていた。
オークションでは、恐竜たちが次々と落札される中、インドラプトルが目玉商品としてお披露目される。
彼はターゲットをロックオンすると確実に仕留める狩猟能力を持ち、兵器としての実用性を実証するため、囚われた人間を利用してデモンストレーションが行われる。
高額な入札が飛び交う中、オーウェンとクレアは何とかオークション会場にたどり着き、混乱を引き起こすことに成功する。
その最中、ケージから解放されたインドラプトルが突如暴走し、会場は一瞬で恐怖のどん底へと変わる。
並みいる傭兵や落札者たちは次々と襲われ、逃げ惑う人々の中で、誰も彼を止めることができない。
一方、クレアとオーウェンは、ロックウッドの孫娘メイジーを救い出しながら、混乱の中で脱出を試みるもインドラプトルの標的は彼らへと向けられ、ロックウッド邸での死闘が始まる…。
ネタバレ④_ロックウッド邸での恐怖!追い詰められるオーウェンたち
インドラプトルがケージから解き放たれたことで、ロックウッド邸は恐怖の館と化す。暗闇の中を獲物を追うように動き回るインドラプトルは、並みいる傭兵たちを次々と襲い、館内は悲鳴と混乱に包まれる。
一方、オーウェンとクレアは、ロックウッドの孫娘メイジーを連れて脱出しようとするが、インドラプトルに狙われてしまう。
インドラプトルは驚異的な知能と狡猾さを発揮し、ただ単に暴れるのではなく、獲物を弄ぶようにゆっくりと追い詰めていく。ロックウッド邸の広大な館内が、そのまま恐怖の密室と化し、オーウェンたちは逃げ場を失っていく。
メイジーは自室へと逃げ込むが、インドラプトルは器用にベランダを伝い、ガラスを破って侵入。
少女のベッドの上に迫る恐ろしい姿は、まるで悪夢そのものだった。しかし、間一髪のところでオーウェンが駆けつけ、インドラプトルとの直接対決へと発展。
一進一退の攻防の末、オーウェンは捕らえられそうになるが、そこにヴェロキラプトルのブルーが乱入!
かつての仲間を助けるため、ブルーはインドラプトルに襲いかかる。
激しい戦いの末、オーウェンたちはインドラプトルを窓の外へと追い詰めることに成功する。
しかし、まだ終わりではなかった…。
オーウェンたちは逃げるどころか、恐竜たちの運命を決める究極の選択を迫られることになる…。
ネタバレ⑤_恐竜はついに世界へ…シリーズ史上最大の決断!
インドラプトルとの死闘の末、オーウェンたちは辛くも生き延びた。しかし、ロックウッド邸の地下では、さらなる危機が迫っていた。
ミルズの計画によって捕獲されていた恐竜たちが、密閉された施設内で毒ガス漏れによる窒息死の危機に瀕していたのだ。
クレアは、恐竜たちを解放するために扉のボタンを押すかどうかの決断を迫られる。
しかし、それは「人間の世界に恐竜を解き放つ」という重大な選択でもあった。
クレアは悩んだ末、「これ以上、人間の手で自然をねじ曲げてはいけない」と考え、ボタンを押すのをためらう。
しかし、その瞬間、クレアの代わりにロックウッドの孫娘メイジーがボタンを押す。
「私と同じよ…彼らもクローンだから」とつぶやくメイジー。こうして恐竜たちは自由へと解き放たれ、人類の世界へと歩み出していった。
その後、オーウェンとクレアはメイジーを連れて新たな生活へ向かう。
一方、逃げ延びた恐竜たちは、都市部や大自然へと広がり、世界中で目撃されるようになる。
ラストシーンでは、ティラノサウルスが動物園のライオンと向き合い、モササウルスが海を泳ぎ、翼竜たちが空を舞う姿が映し出される。
ついに、恐竜と人類が共存する時代が始まってしまった…。
これは終わりではなく、新たな時代の幕開けであり、次回作『ジュラシック・ワールド/新たなる支配者』へと続いていくのだった。
登場人物とキャスト&日本語吹き替え 詳細
オーウェン・グレイディ
(キャスト:クリス・プラット / 劇場公開版日本語吹き替え:玉木 宏)
オーウェン・グレイディは、元海軍兵であり、ヴェロキラプトルの調教師として活躍する人物。
イスラ・ヌブラル島のジュラシック・ワールドで恐竜の研究と訓練を行い、特にブルーとは強い絆を築いている。
恐竜を単なる獲物や兵器ではなく、生きた存在として尊重し共存の可能性を信じている。
本作『ジュラシック・ワールド/炎の王国』では、クレアに説得されて再びイスラ・ヌブラル島へ向かい、火山の噴火から恐竜を救出する任務に参加。
しかし、恐竜売買を企むミルズたちに裏切られ、ブルーを奪われてしまう。
ロックウッド邸に連れ去られた恐竜たちを救うため、クレアやメイジーと共に行動し、最強のハイブリッド恐竜インドラプトルとの戦いに挑む。
オーウェンは冷静な判断力と強靭な精神力を持ち、状況に応じた決断力と行動力で恐竜たちを守る。
恐竜を利用しようとする人間の欲望に立ち向かいながら、ブルーとの関係を軸に、人類と恐竜の未来を見据える姿が印象的なキャラクターである。
クレア・ディアリング
(キャスト:ブライス・ダラス・ハワード / 劇場公開版日本語吹き替え:木村 佳乃)
クレア・ディアリングは、かつてジュラシック・ワールドの管理責任者として、恐竜を「ビジネスの一部」として扱っていた。
しかし、パーク崩壊を経験したことで価値観が一変し、恐竜を守る立場へと大きく変化した。
本作では、恐竜保護団体「Dinosaur Protection Group(DPG)」を立ち上げ、政府の支援が得られない中でも絶滅の危機に瀕した恐竜たちを救おうと奔走する。
大富豪ベンジャミン・ロックウッドからの支援を受け、オーウェン・グレイディと共にイスラ・ヌブラル島で恐竜救出を依頼される。
しかし、ミルズたちに裏切られ、囚われの身となるが、オーウェンと共に脱出し、ロックウッド邸で恐竜たちを救うため戦う。
クレアの最大の葛藤は、檻に閉じ込められた恐竜たちを解放するかどうかの決断。
人間社会へ恐竜を放つリスクを理解しつつも、最後は「自然を支配するべきではない」という信念のもと、一つの選択を迫られる。
かつてビジネスのために恐竜を利用していた彼女が、「恐竜の命を尊重する存在」へと変化する成長物語が本作の大きなテーマの一つとなっている。
ジア・ロドリゲス
(キャスト:ダニエラ・ピネダ / 劇場公開版日本語吹き替え: 石川 由依)
ジア・ロドリゲスは、恐竜保護団体「Dinosaur Protection Group(DPG)」に所属する獣医で、クレア・ディアリングの右腕的存在。
強い意志と冷静な判断力を持ち、恐竜の命を救うことに情熱を注いでいる。
かつては獣医学を学んでいたが、生きた恐竜を治療する機会がなかったため、現場での経験は限られている。
それでも、恐竜への深い愛情と知識を活かし、クレアと共にイスラ・ヌブラル島へ向かう。
島では、恐竜たちを救うべく行動するが、ミルズの裏切りにより捕らえられ、ロックウッド邸へ連行される。
銃弾で撃たれ、重傷を負ったブルーの治療を任されることになり、限られた状況の中で適切な処置を施し、ブルーの命を救う。
ジアは、恐竜を軍事利用しようとする人々に対して強い反感を抱き、最後まで恐竜の解放を信じて行動する勇敢な人物で、医療知識だけでなく、機転の利いた行動力を発揮し最終的にクレアやオーウェンと共に生還する。
恐竜をビジネスの道具とする者たちに立ち向かい、「恐竜の命を守る」という純粋な信念を貫く姿が印象的な人物である。
フランクリン・ウェブ
(キャスト:ジャスティス・スミス / 日本語吹き替え: 満島 真之介)
フランクリン・ウェブは、恐竜保護団体「Dinosaur Protection Group(DPG)」のシステム技術者であり、ITとハッキングのスキルを持つ。
クレア・ディアリングのもとで働き、恐竜のデータ管理やパークの情報分析を担当している。
恐竜保護に対する情熱は強いものの、実際に恐竜と対面するのは苦手で、極度の怖がりな性格。
本作では、クレアやジアと共にイスラ・ヌブラル島へ向かうが、火山の噴火や恐竜との遭遇に終始パニック状態になる。
しかし、彼のシステム知識がなければ作戦は進められず、施設の電力復旧やシステム操作など、要所で重要な役割を果たす。
その後、ミルズの裏切りにより島でクレアたちと離ればなれになり、単独でロックウッド邸へ連行される。
フランクリンは、恐竜との直接的な戦いこそ苦手だが、知識と技術力でピンチを切り抜ける。
臆病ながらも勇気を振り絞って行動し、シリーズの中でユーモアと緊張感のバランスを取る貴重な存在となっている。
メイジー・ロックウッド
(キャスト:イザベラ・サーモン / 日本語吹き替え:住田 萌乃)
メイジー・ロックウッドは、ベンジャミン・ロックウッドの孫娘として育てられた活発な少女。
恐竜を愛し、ロックウッド邸の秘密に興味を持つが、彼女には重大な秘密が隠されていた。
物語の終盤、メイジーはロックウッドの孫娘ではなく、彼の亡き娘のクローンであることが判明。
これは恐竜のクローン技術とは異なる次元の研究を示し、シリーズの未来に大きな影響を与えた人物とも言える。
物語終盤、檻に閉じ込められた恐竜たちを救うかの選択を前に、メイジーは「彼らも自分と同じクローン」と考え、自ら扉を開ける決断を下す。
この行動により恐竜は人間社会へと解き放たれ、新たな時代が幕を開けることとなる。
彼女の存在は、単なる恐竜の問題を超えた生命倫理のテーマへとシリーズを発展させる重要な役割を担っている。
ベンジャミン・ロックウッド
(キャスト:ジェームズ・クロムウェル / 日本語吹き替え:中田 譲治)
ベンジャミン・ロックウッドは、ジュラシック・パークの創設者ジョン・ハモンドと共にクローン技術の研究を進めていた大富豪。
かつては親友であり共同研究者だったが、人間のクローン技術にまで踏み込んだことでハモンドと対立し、決別した過去を持つ。
本作では、絶滅の危機に瀕した恐竜たちを救うため、クレア・ディアリングに資金援助を申し出る。
しかし、信頼して資産管理を任せていたイーライ・ミルズは、恐竜の売買を計画し、ロックウッドを欺いていた。
ロックウッドがその陰謀に気づいた時にはすでに遅く、ミルズによって密かに殺害されてしまう。
また、ロックウッドは「孫娘」としてメイジーを育てていたが、実は彼の亡き娘のクローンとして誕生した存在だった。
彼は彼女を本当の家族として愛し守っていたが、この事実が本作のテーマにも深く関わっている。
ロックウッドが生み出した人間のクローン技術の存在がシリーズに新たな可能性を示唆している。
イアン・マルコム
(キャスト:ジェフ・ゴールドブラム / 日本語吹き替え:大塚 芳忠)
イアン・マルコムは、数学者でありカオス理論の専門家。かつて『ジュラシック・パーク』での惨劇を経験し、人類が自然の摂理に干渉する危険性を訴え続けてきた。
本作では、アメリカ議会の公聴会に召喚され、イスラ・ヌブラル島の恐竜を救うべきかどうかの議論に対し、「人間は恐竜を解放するべきではない」と警告する。
彼の発言は、本作のテーマそのものを象徴しており、最終的に恐竜が人間社会へと解き放たれることで、彼が懸念していた「新たなる支配者の時代」が現実となる。
※日本語吹き替え版では大塚芳忠さんが声を担当しており、前作『ジュラシック・ワールド』でパークオーナーの「サイモン・マスラニ」を演じた際と同じ声のため、混同してしまう人もいるかもしれない。
しかし、イアン・マルコムはジュラシック・パークの事件を直接経験した人物であり、まったく別人であることに注意が必要です。
イーライ・ミルズ
(キャスト:レイフ・スポール / 日本語吹き替え:内田 夕夜)
イーライ・ミルズは、ベンジャミン・ロックウッドの資産管理を任されている実業家であり、本作の主要な敵役。
ロックウッドの信頼を得ていたが、裏では恐竜を軍事利用や違法オークションで売買し、巨額の利益を得ようとする冷酷な野心家である。
彼は表向き、ロックウッドの「恐竜保護計画」を進めるように見せかけていたが、実際には傭兵を雇い、恐竜たちをイスラ・ヌブラル島からロックウッド邸へと密輸。
特に、ヴェロキラプトルのブルーは、ハイブリッド恐竜「インドラプトル」の育成に不可欠な存在として狙われていた。
やがてロックウッドが彼の陰謀に気づくと、ミルズは迷うことなくロックウッドを殺害し、すべてを自分の手で支配しようとする。
しかし、インドラプトルの暴走によって計画は崩壊し、最後は車の下敷きにされた挙句、肉食恐竜に食いちぎられるという悲惨な最後を迎えた。
彼の存在は、本作における「人間の欲望」の象徴であり、恐竜を兵器やビジネスの道具として扱おうとした人間がどのような末路を迎えるのかを表した人物とも言えるだろう。
ケン・ウィートリー
(キャスト:テッド・レヴィン / 日本語吹き替え:黒田 崇矢)
ケン・ウィートリーは、恐竜の捕獲を専門とする傭兵であり、イーライ・ミルズの計画に協力する冷酷なハンター。
報酬のためなら危険な仕事や非人道的も依頼も引き受けるといった人や恐竜に対する敬意が全くない人物である。
特に恐竜は単なる「商品」として扱っているおり、麻酔で捕獲した恐竜から戦利品として歯を抜くといった残虐な性格をしている。
本作では、イスラ・ヌブラル島の恐竜を捕獲する作戦のリーダーを務め、オーウェン・グレイディを裏切り、ヴェロキラプトルのブルーを確保する。
恐竜たちをロックウッド邸へ輸送する役割を担うも、最後は彼自身の冷酷さと傲慢さが招いた代償を払うことになる。
ロックウッド邸では、檻に入れられたハイブリット恐竜のインドラプトルから「戦利品」として歯をコレクションしようとする。
しかし、インドラプトルは死んだふりをして彼を欺き、油断した隙を突いて襲撃した。
片腕を食べられ、痛みと恐怖に満ちた表情のまま、彼は檻の中でインドラプトルに食い殺されるという悲惨な最期を迎えた。
彼の死は、恐竜を軽視し、利益のために乱暴に扱った者の結末を象徴しており、シリーズ全体のテーマである「人間の傲慢さ」への警鐘となっていると考えられる。
ヘンリー・ウー
(キャスト:B・D・ウォン / 日本語吹き替え:近藤 浩徳)
ヘンリー・ウーは、ジュラシック・パークの創設時から関わる遺伝子学者であり、恐竜クローン技術の第一人者。
かつてはジョン・ハモンドのもとで働いていたが、シリーズを通じて科学の力を制御しようとする野心的な研究者へと変貌していった。
本作では、イーライ・ミルズと手を組み、恐竜の違法売買計画に関与。
彼の目的は単なる金儲けではなく、「より優れた恐竜を生み出すこと」にあり、遺伝子研究には彼なりの美学などもあるよう…
彼が生み出したインドラプトルは、インドミナス・レックスとヴェロキラプトルのDNAを組み合わせた究極の捕食者であり、彼はその制御を完璧なものにしようと試みるが、暴走を止めることはできなかった。
最終的に、計画が崩壊しロックウッド邸が混乱に陥る中、ウーはフランクリン・ウェブに麻酔を打たれて意識を失うも研究データとともにケン・ウィートリーの部下によってどこかへ連れ出される。
シリーズを通じて何度も生き延びている人物で、その知識と技術が今後の展開にどう影響するかは、いまだに未知数でもある。
彼の存在は、「科学の進歩は倫理を超えて良いのか?」というシリーズの根本的なテーマを体現する存在であり、人類が遺伝子操作の果てに何を生み出してしまうのかを示唆する人物とも言える。
登場するメイン恐竜たち
ヴェロキラプトル(ブルー)
ブルーは、ジュラシック・ワールドで飼育されていたヴェロキラプトルの最後の生き残りであり、オーウェン・グレイディが手塩にかけて育てた4体のラプトルのリーダー的存在だった。
彼女は、単なる捕食者ではなく、驚異的な知能と感情を持つ恐竜として描かれ、オーウェンとの間には深い絆と信頼関係が築かれている。
本作では、ブルーの知能の高さや他者への共感能力が特に強調され、彼女のDNAが狙われる理由となる。
イーライ・ミルズらは、ブルーの遺伝子を利用して、より賢く制御可能なハイブリッド恐竜「インドラプトル」を生み出そうと目論み、イスラ・ヌブラル島で彼女を捕獲し、ロックウッド邸へと連行する。
また、本作ではブルーの過去が初めて描かれ、オーウェンによってどのように育てられたのかが明かされる。
幼少期のブルーは、他のラプトルと比べても特に知能が高く、人間に対する理解力が強いことが示される。
そして、3年ぶりにオーウェンと再会した際には、彼をしっかりと覚えており、過去の記憶や絆の深さが強調される重要なシーンとなっている。
最終的に、ブルーはインドラプトルとの死闘を繰り広げ、オーウェンたちを救うが、人間の支配下に戻ることは拒み、最後のヴェロキラプトルとして自然の中へと消えていく。
ティラノサウス・レックス ※愛称:レクシィ(Rexy)
ティラノサウルス・レックス(T-レックス)は、シリーズを象徴する最強の捕食者であり、今作でもその存在感を発揮する。
ジュラシック・ワールド崩壊後もイスラ・ヌブラル島に生息していたが、火山噴火による絶滅の危機にさらされ、クレアたちの救出作戦によって捕獲される。
しかし、恐竜売買を目論むミルズの計画によってロックウッド邸へ運ばれ、檻の中に幽閉されることに。
終盤では、オークション会場で脱走し、悪徳実業家ミルズを襲撃し、とどめを刺すシーンが描かれる。
今作では、人間の欲望に翻弄されながらも、「恐竜の王」としての威厳を失わず、最終的に解放された後は、大地を支配する姿が描かれた。
シリーズを通して変わらぬ圧倒的な存在感を持ち、次作への重要な伏線を残すキャラクターとなっている。
スティギモロク ※愛称:スティギー
スティギモロクはドーム状の硬い頭蓋骨を持つ草食恐竜であり、その特徴を活かして突進攻撃を得意とする。
本作では、ロックウッド邸に囚われていた恐竜の一体として登場し、印象的で可愛らしい活躍を見せる。
オーウェンとクレアがロックウッド邸で囚われた際、隣の檻に閉じ込められていたスティギーだったが、頑丈な頭を使い壁や檻を破壊した後、看守や悪徳実業家たちを次々と体当たりで吹き飛ばした。
その突進力は驚異的で、頑丈な扉や壁、鉄の檻を突き破るほどの威力を持っている。
スティギーの暴走によってオークション会場が大混乱に陥り、恐竜たちの脱走につながる大きなきっかけを作ることに。
見た目は攻撃的に見えるが、基本的には人間に対する敵意は無いよう…?
挑発されたら突進をするというコミカルな動きが観客に印象を与えた。
スティギーは、本作において恐竜たちの解放を助ける重要な役割を担ったキャラクターであり、小柄ながらも大胆でパワフルな活躍が魅力の恐竜である。
インドラプトル
インドラプトルは、ヴェロキラプトルとインドミナス・レックスのDNAを掛け合わせて生み出された、シリーズ最恐のハイブリッド恐竜。
異常な知能、俊敏性、狡猾さを持ち、獲物を弄ぶように狩る習性がある。
本作では、イーライ・ミルズとヘンリー・ウーによって軍事利用を目的とした「恐竜兵器」として開発された。レーザーターゲットと音波誘導で標的を狩るよう設計されていたが、完全に制御するには至らず、ブルーのDNAを組み込むことで完成形になるはずだった。
ロックウッド邸では、檻の中で「死んだふり」をするなど異常なほどの知能を見せ、ケン・ウィートリーを欺き襲撃。
また、獲物を弄ぶかのように床を「トントン」と叩く仕草で観客に恐怖を与えた。
最終的に、オーウェン、クレア、メイジーの抵抗によりブルーと対決し、屋敷のガラス屋根から転落。ロックウッド邸の中央に飾られていたアグジャケラトプスの標本のツノに突き刺さって絶命した。
カルノタウルス
カルノタウルスは、俊敏で凶暴な肉食恐竜であり、イスラ・ヌブラル島に生息する危険な捕食者の一種。
シリーズ初登場となる本作では、特徴的な外見と獰猛な狩猟スタイルが印象的に描かれている。
最大の特徴は、短く頑丈な二本のツノと筋肉質な身体。このツノは攻撃や威嚇に使われ、獲物を素早く追い詰める能力と併せて、より獰猛な捕食者としての恐怖を際立たせている。
本作では、火山噴火の混乱の中で登場し、オーウェンたちの前に姿を現す。
火山噴火という絶体絶命の状況下でも獲物を襲おうとし、さらにはティラノサウルス・レックスに喧嘩を吹っかけるなど、極めて攻撃的な性格が強調されている。
また、ロックウッド邸へと運ばれた恐竜の一体でもあり、解放直後にイーライ・ミルズを最初に捕食する姿が描かれるなど、シリーズ屈指の獰猛さを発揮した。

『ジュラシック・ワールド/炎の王国』気になる疑問を徹底考察&解説!
インドラプトルの床トントンの意味とは?恐怖を煽る行動の狙いを考察
本作で登場するハイブリッド恐竜「インドラプトル」は、シリーズでも屈指の知能と狡猾さを持つ存在です。
その特徴的な行動の一つが、床を「トントン」と叩く仕草であり、この行動は単なる偶然ではなく、インドラプトルの異常な知能と狩猟本能を示唆する重要な演出として描かれているものと考えられます。
まず、床を叩く動作は、まるで獲物を弄ぶかのような意図的な行動に見えます。
この行動は猫科の動物が遊びで獲物を捕獲するように、インドラプトルも自らの支配力を誇示し、獲物に恐怖を与えて楽しんでいる可能性が高いです。
また、恐竜としては異例の「遊び」に近い行動であり、人間が作り出した生命体だからこそ見せる異常な嗜虐性を象徴しているように感じられました。
ブルーはなぜオーウェンを助けたのか?ヴェロキラプトルの知能と絆を解説
本作『ジュラシック・ワールド/炎の王国』では、前作同様ブルーがオーウェンを救うシーンが印象的に描かれています。
ヴェロキラプトルという捕食者がなぜ人間を助けたのか?その理由には、驚異的な知能とオーウェンとの深い絆が関係しています。
まず、ブルーは単なる肉食恐竜ではなく、高い知能を持つ恐竜であり、彼女は学習能力が高く状況を理解し適応する力を持っています。
オーウェンに幼少期から育てられたことで、人間の悲しみなどの感情を理解していたり、首を傾けたらマネをしてみたりと、とても高いコミュニケーション能力があるため彼を特別な存在として認識しています。
また、ブルーとオーウェンの関係は、単なる調教師と動物の主従関係ではなく、親子や兄妹にも近い深い信頼関係が築かれているように見受けられます。
ブルーは幼い頃からオーウェンの指示を理解し、彼から守られ育てられた。そのため、彼を「仲間」として認識し、危機的状況では本能的に彼を助ける行動を取ったと考察できます。
特に、終盤のインドラプトルとの戦いでは、ブルーは迷うことなくオーウェンのために飛び込み、共闘する姿勢を見せた。
これは、彼女の知能の高さだけでなく、オーウェンとの絆がいかに深いものであるかを強調する重要なシーンである。
ブルーの存在は、シリーズを通して「恐竜と人間の共存の可能性」を示す象徴となっており、今後の展開においても彼女の行動が大きな意味を持つことになると思われます。
どうやってモササウルスは生き延びれた?
モササウルスは、『ジュラシック・ワールド/炎の王国』冒頭で、イスラ・ヌブラル島の水槽から脱出し、大海へと泳ぎ去る姿が描かれる。
しかし、前作『ジュラシック・ワールド』の崩壊から3年間、どのように生き延びていたのか? これは劇中で明確な説明がないため、いくつかの考察ができる。
最も可能性が高いのは、モササウルスが3年間、水槽内に閉じ込められていたという説です。
劇中の描写を見る限り、ジュラシック・ワールド崩壊後、パークの設備は放置されていたため、モササウルスが自由に出入りする経路は塞がれたままでした。
その状況下でモササウルスはどうやって餌を確保していたのか?
ここで注目したいのが、モササウルスの驚異的なジャンプ力である。前作では巨大なサメを空中で捕食する姿が描かれたが、この能力を活かし、飛来する鳥類などを捕食していた可能性が考察できます。
また、パークの崩壊後も水槽内に迷い込んだ魚類や、流れ込んできた海の生物を狩っていたことも十分あり得ます。
なぜメイジーは寝室に逃げ込んだのか?
メイジー・ロックウッドは、恐竜やロックウッド邸の展示品について深い知識を持ち、クローンであるという衝撃的な事実も理解しているというように非常に賢い少女として描かれている。
しかし、本作のクライマックスでインドラプトルに追われた際には、自身の寝室に逃げ込み、まるで悪夢を見ているかのように布団にくるまって震えている。この行動には違和感を覚えた視聴者も多いのではないだろうか?
このシーンの意図を考察すると、メイジーの「賢さ」と「年齢」のギャップを強調するための演出だった可能性が高い。
知識や理解力は大人顔負けでも、彼女はまだ9歳の少女であり、本能的に「安心できる場所」である寝室に逃げ込んだのではないかと考えられます。
恐竜や自分の出生に対しては冷静に向き合えたものの、実際に命を脅かされる状況では、子どもらしい恐怖心がむき出しになったのだろう。
劇中でメイジーは、恐竜の世界に興味を持ちつつも、ロックウッド邸という守られる環境で生きてきたので、そんな彼女が突如、巨大な捕食者に追われるという恐怖の中で、最も馴染み深い「自分の部屋」に戻ることで、少しでも心の安定を求めたのではないだろうか。
筆者としては、ここまで知的な少女として描かれてきたメイジーが、パニックになりながらもより安全な別の場所を選ばず、あえて寝室に逃げ込んだ点には若干の違和感を覚える。年齢を強調する演出としては理解できるが、観客にとってはやや不自然に映る場面かもしれない。
インドミナス・レックスとインドラプトルの違いとは?能力や目的を比較
インドミナス・レックスとインドラプトルは、どちらも遺伝子操作によって生み出されたハイブリッド恐竜だが、その目的と能力には大きな違いがある。
インドミナス・レックスは、『ジュラシック・ワールド』でパークの新たな目玉として開発された。
ティラノサウルスやヴェロキラプトルのDNAを持ち、超大型の体躯、カモフラージュ能力、異常な知能を兼ね備えていたが、制御不能の暴走を引き起こした。
一方、インドラプトルは、『炎の王国』で軍事利用を目的として開発された兵器型恐竜。
インドミナス・レックスより小型で俊敏、さらにレーザーターゲティングと音波誘導による制御機能が搭載されていた。しかし、ブルーのDNAが不足していたため、完全な制御はできなかった。
つまり、インドミナス・レックスはパーク用、インドラプトルは戦闘用という明確な違いがあります。
結論としては、どちらも人間の欲望によって生み出された危険な産物であったことに違いはないだろうと感じます。
映画「ジュラシック・ワールド/炎の王国」メイン出演者&公開情報
原題:Jurassic World Fallen Kingdom
メイン出演者 :クリス・プラット
:ブライス・ダラス・ハワード
:ダニエラ・ピネダ
:ジャスティス・スミス
:イザベラ・サーモン
:ジェームズ・クロムウェル
:ジェフ・ゴールドブラム
:レイフ・スポール
:テッド・レヴィン
:B・D・ウォン
視聴時間:129分(2時間9分)
公開日 全米公開:2018年6月22日
日本公開:2018年7月13日
ざっくり映画評価
総合的満足度:
①話の面白さ:
②話の分かりやすさ:
③テンポの良さ:
④オススメ度:
配信情報(2025年03月09日時点)
劇中の曲名
- 曲名 :Don’t Look Now ※Spotify⬇️ | Apple musicで試聴
場面 :クレアとオーウェンがバーで会話してる際に流れている曲
アーティスト:Creedence Clearwater Revival(クリーデンス・クリアウォーター・リヴァイヴァル)
【サウンドトラック】 - 曲名 :Jurassic World (Original Motion Picture Soundtrack) ※Spotify⬇️ | Apple musicで試聴
アーティスト:Michael Giacchino(マイケル・ジアッチーノ)
感想&考察
『ジュラシック・ワールド/炎の王国』の視聴後の感想として、単なる恐竜パニック映画ではなく、「人間が蘇らせた恐竜に対してどこまで責任を持つべきか?」という深いテーマを持つ作品だと感じました。
「恐竜は保護すべきか」、それとも「自然に任せるべきか」という問いは、フィクションにとどまらず、現実の環境問題や動物保護にも通じるものがあります。
特に、島に取り残された恐竜たちが火山の噴火で命を落とすシーンは衝撃的で、視聴後も強く心に残る場面のひとつでした。
恐竜を蘇らせたのは人間でありながら、都合が悪くなると見捨てる――そんな展開には、憤りを感じる部分もありました。
しかし、もし現実に恐竜が蘇ったら、果たして人間は本当に責任を持てるのか? 本作は、単なる娯楽作品ではなく、そうした疑問を投げかけてきているように感じました。
ラストでは「恐竜を守るために世界へ解き放つ」という決断が下されますが、もし感動を狙った演出だったとすれば、必ずしも成功とは言えないかもしれません。
しかし、本作が伝えたかったのは、「DNAから実際に恐竜が蘇った場合、人間の欲望によって金儲けや軍事利用にされる未来も十分あり得る」という悲観的なメッセージだったのなら、それは強く伝わる作品だったと言えるでしょう。
総じて、本作は「スッキリとした感動」を与える映画ではありません。
しかし、恐竜と人間の関係、そして生命に対する責任を改めて考えさせられる、深みのある作品です。
動物が好きな人には辛いシーンもありますが、「もし現実に恐竜が蘇ったら?」と想像しながら視聴すると、より多角的に楽しめるでしょう。
次回作の『ジュラシック・ワールド/新たなる支配者』では、世界に解き放たれた恐竜たちがどのように生態系に影響を与え、人間社会と共存または対立していくのかが描かれます。
本作が提示した「恐竜が現代に蘇った場合の現実的な問題」が、いよいよ本格的に展開されることになるでしょう。
恐竜と人類が共に生きる未来は果たして可能なのか?それとも人間の欲望によって新たな混乱が生まれるのか? シリーズ完結編となる『新たなる支配者』では、ついにその答えが明かされます。
本作を視聴した後に次回作を見ると、より深く楽しめること間違いなし! ぜひチェックして、壮大な恐竜の物語を最後まで見届けてください。


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